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活況呈したPC市場の行方--"PCの新たな時代"はどう展開するのか(ZDNet Japan) - Yahoo!ニュース

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活況呈したPC市場の行方--

 PCの販売台数は数年、徐々に減少しつつあった。その理由は明らかだ。スマートフォンやタブレットの到来で、PCが提供してきた汎用的なアプローチが、特にコンシューマーに通用しなくなってきたためである。 その状況がパンデミックによって一変した。タブレットやスマートフォンは、ビデオを見たりちょっとしたメッセージを送ったりするには便利なものの、長時間の作業や学習にはあまり便利ではないことに、多くの人がすぐに気づいたためだ。 より良いものが考案されるまでは、クリエイティブな作業にはスクリーンとキーボードという従来の組み合わせが、スクリーンだけでこなすよりも適しているといえる。その結果、PCは過去10年で最大の成長率となり、2021年の出荷数は14%増の3億5000万台となった。 その要因のひとつは、企業がオフィスの奥に追いやられたアクセス不能のデスクトップPCをリプレースしようとノートPCを購入していることだ。また、ファミリー層が、ロックダウン中に娯楽や教育のためデバイスを購入したことも背景にある。 2023年までに、PCベンダーは数年前の予測より1億3000万台以上も多くのPCを販売することになると予想されている。テクノロジー業界全体に影響が及んでいるサプライチェーンの問題がなければ、販売数はさらに伸びていただろう。 MicrosoftのPanos Panay氏は、この現象を新「PCの時代」と名付け、「仕事、学校、生活のすべてにまたがる新たなハイブリッドインフラが存在している。これにより、時間の過ごし方や過ごす場所の柔軟性が高まった。そのハブとなるのがPCだ」と述べている。 PCは再び流行しているようにも思えるが、この状況はいつまで続くのだろうか。 もちろん、MicrosoftはこのPCの復活が永遠に続くと主張しているようだ。

 「『Windows』は現在、月間14億台以上のアクティブデバイスを支えており、Windowsの利用時間もパンデミック前のレベルから10%増となっている。当社の顧客インサイト調査によると、今四半期はWindowsのシェアが高まり、PCを創作やゲーム、仕事に使う予定だとする人も50%近く増加した。企業や学校、家庭にて、PCがすべての人に役立つと認識する人は増加傾向にある」と、Panay氏は語る。 確実に言えるのは、パンデミックやロックダウンで役立つと思われていた仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの未来のテクノロジーが影響を及ぼすようなことはほぼなかったということだ。 PCには、「Zoom」や「Microsoft Teams」といった適切なコラボレーションツールの急速な進化への対応が求められたものの、その従来の慣れ親しんだ形と機能性が勝利を収めたということだ。 そして今では、パンデミックが発生しなかった時の想定よりも数千万台以上も多くのPCが家庭で使われている。 もちろん、Panay氏はこの状況が続くとみている。「Windowsは今後もイノベーションの支えとなり、ゲームや創造、探索の際にたどり着く場となり、メタバースへの入口であり続けるだろう」と同氏は主張する。 しかし、最終的に普通の生活が戻ってくるとどうだろう。こうした新しいノートPCはまたほこりまみれになるのだろうか。移動制限が緩和されるにつれ、自宅のオフィスから開放され再び出歩く人も増えるため、その可能性はある。とはいえ、リモートワークやリモート教育が新たなハイブリッドの世界に今後も定着することで、そうならない可能性もある。 確かに、PCが唯一のテクノロジーで、メインデバイスとなっていた時代は遠い昔に過ぎ去った。ただ、この予期せぬPCの復活は、テクノロジーをただ受身的に利用するだけではいけないことを思い起こすきっかけとなっているのかもしれない。テクノロジーは、単に小さなスクリーン上に映し出されたものを吸収するためだけにあるのではない。それを使って創造できるということを思い出すべきなのだ。この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

最終更新:ZDNet Japan