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「紙の文書をPDF化」では不十分――AIで設計図面をデータ化 建設業界の先駆者が挑むデジタル化 - ITmedia NEWS

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 日本の民間企業として初めて構造計算にコンピュータ(IBM 1620)を導入したとされる企業が、1956年に創業した構造計画研究所です。建築・建設業界の皆さまはご存じかもしれません。

 創業時のコンピュータ活用の目的は「単純な計算作業から構造設計者が解放されることで、考え迷うことが中心である設計により多くの時間を割けるようになり、より良い建築や社会をつくりたい」というものでした。

 この言葉、なんとなく聞き覚えがございませんか? そうです、昨今のAI活用で言われていることと全く同じです。人にしかできないことに多くの時間を使えるようにするために、創業時からテクノロジーを活用してきたのが構造計画研究所です。

 建設業界で早くからコンピュータを活用してきた構造計画研究所は、その専門的な知識を生かしてAIの活用に取り組んでいます。今回は業務効率の向上につながる、AIを使った図面のデジタル化を紹介します。

 構造計画研究所の事業領域は多岐にわたります。建設分野や防災分野をはじめ、最初期からコンピュータを活用してきた強みを生かして情報通信や製造業などを手掛けています。さらにマーケティングや事業評価、制度設計、政策評価などの意思決定も支援しています。最大の特色は「大学・研究機関と実業界のブリッジ」を企業理念としているところで、アカデミックな知見をいち早く取り入れることで次世代の社会構築や制度設計の実現に貢献しています。

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 構造計画研究所がAIに取り組み始めたのは、コンピュータの導入と同様、世間的に早い時期で、第2次AIブームと呼ばれる1980年代からです。専門知識がなくても業務を行えるエキスパートシステムの開発や、コンジョイント分析という手法を用いたマーケティング支援を経て、1990年代には画像解析システムやマルチエージェントシミュレーターを自社開発するなど、着実にAIに関する技術力と経験を蓄えてきました。

 他の企業に先駆けてAIを活用してきた構造計画研究所が、建築分野向けに提供しているAI技術の一例をご紹介します。それが、紙ベースの図面のデジタル化です。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためには、組織内にある既存の情報をデジタル化していなければなりません。紙ベースの図面はスキャンしてデータ化する必要があるのは当然です。しかし、データ化したPDFファイルも真の意味でデジタル化はされていません。PDF上の図面に描かれている通り芯や柱といった部材は、人間だからこそ解釈できるデータであり、コンピュータ(設計ソフトウェア)には解釈できません。

 柱などの部材情報をコンピュータが解釈できるデータにするため、手作業で図面1枚1枚をチェックしてコンピュータにインプットするには途方もない時間と労力を要します。この作業工程にAIを使った画像認識を用いることで、高速に図面を分析して建物基本情報や面積、位置情報などを抽出してデジタルデータ化することができるのです。

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 デジタイゼーション(アナログの作業をデジタル化すること)のネックである、人間が一つ一つ解釈してコンピュータにインプットする苦労を解決できるのもAIの利用価値の一つです。特に「デジタルデータにはなっている」状態から、「コンピュータが解釈できるデータになっている」状態に進まなければデジタライゼーションは進まないのです。

 構造計画研究所が提供している、AIを用いた図面デジタル化のサービスは設計業務の効率化につながるだけではありません。ノウハウ共有や後ろの工程の不具合リスクや手戻りリスクを低減できると分かってもらえるはずです。

 設計図面のように専門的な内容が含まれる文書をデジタル化し、業務で活用できるようにするには、その分野の専門的な知識と、画像解析やテキスト解析といったデータサイエンスの知見、どちらも必要になります。

 構造計画研究所は建設業界におけるエンジニアリングのエキスパート集団であり、いち早くコンピュータを構造設計に活用してきた、コンピュータ活用に関するエキスパート集団でもあります。建築・建設に携わられている皆さまのデジタル技術活用に対する思いを、これまでの知見と経験で見極めて実現していきます。ご興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にDell de AIまたは構造計画研究所にご連絡ください。

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この記事はデル・テクノロジーズから提供された原稿を、ITmedia NEWS編集部で一部編集したものです。

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