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運転中の「ながらスマホ」はダメだけど…「ながらナビ」は? 画面は大型化するも注視は禁止?

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実は多いカーナビ注視による事故

 クルマを運転しながらスマートフォンを操作する、いわゆる「運転中のながらスマホ」は道路交通法で禁止されていますが、スマホ以外の、たとえばクルマに据え付けられているカーナビを運転中に操作することは問題ないのでしょうか。【画像】運転中の「ながらスマホ」が危険な理由(14枚)

運転中の「ながらスマホ」はダメだけど…「ながらナビ」は? 画面は大型化するも注視は禁止?

運転中の「ながらナビ」は交通違反になる?(イメージ画像)

 2019年12月1日、道路交通法が改正され、運転中に携帯電話やスマホで話したり、画面を見たり、操作したりするながらスマホに対する罰則が強化されました。 携帯電話(スマホ含む。以下同じ)で通話したり画面を注視したりした場合は「携帯電話使用等(保持)」の違反に該当し、罰則として6か月以下の懲役または10万円以下の罰金、反則金1万8000円(普通車)、違反点数3点が科されます。 携帯電話の使用などにより事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合は「携帯電話使用等(交通の危険)」の違反に該当し、、1年以下の懲役または30万円以下の罰金、違反点数6点(免許停止処分対象)が科されます。非反則行為となるため反則金の規定はなく、罰則が適用されます。 クルマは30km/hで走っていると2秒間で約16.7m進みます。60km/hだと約33.3mです。 この2秒の間に、歩行者が横断していたり、前を走るクルマが急ブレーキをかけたりする可能性があります。たとえわずかな時間でも、目を離すと事故につながる恐れがあるというわけです。 ここまでは運転中の携帯電話の使用について見てきましたが、カーナビについても扱いは基本的に同じです。 道路交通法第71条(運転者の遵守事項)では、クルマまたは原動機付自転車を運転するときは、運転者は、緊急時を除き「携帯電話用装置」「自動車電話用装置」「無線通話装置」で通話しないこととしています。 しかし通話だけでなく、さらに「当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(…略…)に表示された画像を注視しないこと」とも定めています。 国家公安委員会が作成した「交通の方法に関する教則」では、第5章(自動車の運転の方法)で次のような記述も。「走行中に携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりすることにより、周囲の交通の状況などに対する注意が不十分になると大変危険です。走行中は携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりしてはいけません。また、携帯電話などについては、運転する前に電源を切つたり、ドライブモードに設定したりするなどして呼出音が鳴らないようにしましよう。」 つまり、運転者は運転中、スマホでもカーナビでもテレビでも、その装置が持ち込みでも据え付けでも、ディスプレイを注視してはならないということになります。 なお、「注視」については道路交通法などで時間などが明確に定義されておらず、取り締まる現場の警察官の判断によります。 警察庁によると、2020年中の携帯電話使用などに関係する交通事故の件数は1283件で、うち死亡事故は20件でした。 要因別にみると、カーナビなどの注視が677件で半分近くを占めており、次いで携帯電話の画像目的使用(画面を見ながらの使用)が520件で約4割、携帯電話の通話目的使用が98件で1割弱という結果です。 事故件数を見ると、携帯電話注視より、カーナビ注視の方が多かったのです。 なお、死亡事故率は、携帯電話などの使用がなかった事故(0.83%)と比べると、約1.9倍(1.56%)になるといいます。 警察庁は「運転中に、どうしてもスマートフォンなどの携帯電話などを使用しなければいけないときは、必ず安全な場所に停車してから使用して」と呼び掛けています。※ ※ ※ 運転中に注視してはいけない一方で、クルマのディスプレイは大型化していく傾向にあり、また、タッチパネルも普及しています。つまり、かつて物理的なボタンやスイッチ、レバーだけだった時代と比べると、ディスプレイを「見る」必要が増しているといえますが、安全のためにはそれらをなるべく「見ない」で運転する意識やスキルも必要といえそうです。

くるまのニュース編集部

最終更新:くるまのニュース