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【藤本健のDigital Audio Laboratory】約3年ぶりメインPC新調。スリムなAMDマシン「MINISFORUM」を導入した-AV Watch

香港PC・MINISFORUMのベアボーン購入。メモリとSSDを合わせ約10万円

機材やソフトをレビューするような仕事をしている関係上、筆者は複数台のPCを使っている。

メインマシンはずっとWindowsベースのデスクトップPCで、ここにオーディオインターフェイスを接続し、DAWや波形編集ソフトなどを入れている。Windowsだけだと網羅できないので、メインマシンとディスプレイを共有する形でMac Miniも初代機から新機種が出るたびに買い替えて使っている。

その一方で、取材用に持ち歩くとにかく軽いノートPCがあるほか、「DTMステーションPlus!」というネット番組を運営している関係で、外に手軽に持ち出せるデスクトップPCが便利と思い、NUCも長年使っている。また一応、会社を運営していることもあり、会社の事務用PCというものも別途用意して使っている。

そうした中、ここ15年近く入れ替えながら愛用していたのが、Shuttleのキューブ型のベアボーンだ。

それ以前はタワー型PCを自作していたが、Shuttleのマシンだとタワーやミニタワーと比較してもコンパクトだし、CPUとメモリ、ストレージをセットするだけで好きなスペックのマシンに仕立て上げられるという点で気に入っていた。そのため、CPUの世代が新しくなったら、それにマッチしたShuttleのベアボーンを手に入れて組み立てていた。

もっとも、Shuttleの新ベアボーンが登場するのは、新CPUが出てから半年~1年近く経過してからだったので、ちょうどCPU価格もこなれてきていて、入手しやすくて好都合だった。そう、必ずしも最速のマシンを手に入れたいというより、そこそこの性能のマシンが手元にあればいい、という発想なので、ちょうどよかったのである。

ところが、ここ数年、そのShuttleの動きが鈍く、新ベアボーンが出てこないままなのだ。正確にいうと、デジタルサイネージやFA用途のスリムPCは出ているけれど、メインストリーム的なマシンが出ず、いまだに3年前に購入した「SH370R6」というIntel第8世代Core用のマシンが最新機種のまま。2年近く待ったけれど、出る気配がないため、別の道を探ることにした。

【藤本健のDigital Audio Laboratory】約3年ぶりメインPC新調。スリムなAMDマシン「MINISFORUM」を導入した-AV Watch

最近はPCの詳細について、さっぱり分からなくなっていたため、新機種導入にあたって相談していたのは、小岩井ことりさんやそのスタッフの方々。そこからのアドバイスによれば、いまはIntelよりもAMDのRyzenのほうが断然ハイパワーで、コストパフォーマンスがいいとのこと。完全に自作の形でタワー型を組み立てようかと探していたけれど、結構コスト高になってしまうし、何より大きいマシンになるのが気に入らず、どうしようかと迷っていた。

そんな中、8月にたまたまSNSで見かけたのが、MINISFORUMのHX90というマシンだった。デザイン的にもカッコいいスリムマシンであり、狙っていた第5世代Ryzen 9を搭載したベアボーン。正確にはRyzen 9 5900HXというノートPC用ハイパフォーマンスCPUを搭載したマシンになっていて、ベアボーンのほかに組みあがったPCも選択できる。ただ、ベアボーンのほうがコストパフォーマンスが高く、より大きなメモリ、ストレージを載せられるので、ベアボーンのほうがよさそうだ。

MINISFORUMは最近、よくネット広告で見かけるメーカーではあるが、まったく馴染みがなかった。販売サイトを見てみると香港の会社のようだが、軽くチェックしてみても評判も悪くはない。その時点では予約販売とのことで到着は9月中旬になるとあったが、魅力的に感じたのは82,690円という安さに加え、予約特典として今買えば、1万円オフの72,690円になるとのこと。「大丈夫だろうか」と一瞬迷いはしたものの、その場でクレジットカード番号を入力し購入することに。

筆者にとってAMDのCPUは「K6-2 Athlon」以来のほぼ20年ぶり。正確には昨年末、NUCの後継にすべく、新マシンとしてRyzen 5 4500U搭載のミニPCを購入したが、それまで使っていたNUCよりも性能が劣っていたため、すぐに手放してしまった。そのため本格的な導入は久しぶりだ。

機材は予定通り9月10日にFedexで無事到着。開封してみると、キレイな状態で、ぱっと見では何らトラブルもなさそう。ちなみに、9月中は「予約割引の10,000円OFFはあと〇日」という記載がされていたのだが、10月になった今アクセスしてみても「予約販売再開! 10,000円OFF実施」となっているので、焦る必要はなかったのかもしれない……。

Fedexでマシンが到着さっそく開封。とくに問題はなさそう10月現在も“10,000円OFF実施”の案内が

さて、購入したHX90はベアボーンなので、このままでは動かない。NUC同様CPUは入っているので、メモリーとストレージを入れることで動作させることができる。

事前に購入しておくこともできたけれど、海外からの通販でもあるため、到着を確認してからAmazonで購入した。具体的にはTEAMのDDR4 3200の16GBx2のセットと、同じくTEAMのM.2の1TBのSSD。合わせて27,960円だったので、ベアボーン本体と合わせて、ピッタリ10万円(正しくは100,650円)。かなり手頃な価格ではないだろうか?

AmazonでメモリとSSDを購入

到着後、HX90のネジを外して、メモリーとSSDを中に組み込む。作業自体は簡単ではあったが、ネジを外しただけでは蓋が簡単には取れない構造。プラスティック製のシャーシなのだが、外すにはちょっとコツがいり、少し力を加えなくてはならなかった。壊すのではと怖かったが、問題なくセッティング終了。

メモリーとSSDを組み込む

その後、Windows 10 Professionalをインストール。動作するところまでは確認できたので、ここでひとまず安心。しかもPCの起動時間が爆速で、完全シャットダウン状態から電源を入れて、Windows起動まで7秒。MINISFORUMのロゴ表示状態からカウントすると3秒での起動は、筆者の歴代マシンの中での最速である。

これまで使っていたShuttleのベアボーンと並べて比較すると体積的に20%以下になった感じだ。ただし、本体と比較して、ACアダプタがかなりデカイのが、難点といったところ。最大消費電力が119.7Wとなっているので、これくらいのACアダプタが必要ということなのかもしれない。

これまでのメインPC(Shuttle)とのサイズ比較。体積的に20%以下になった感じACアダプタが大きいのがやや難点