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古市憲寿が世界最高齢プログラマーに聞く“人生100年時代の攻略法”「新しいことを始めるときに“勇気”はいらない」

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戦後、経済の発展によって日本人は前例がないほどの“自由”を手に入れた。女性の生き方の模範となる成功例が少なかったはずの時代に、働き盛りだった女性たちはどんな幸せを求め、どうやって人生を切り開いてきたのか?81歳でスマホ向けゲームアプリを作った若宮さんに聞いた「失敗は怖くない?」激動の時代を乗り越えてきた先人たちの声が、きっと令和を生きるOLたちへの応援歌となる。至極の名曲(人生)を集めることを目指して、社会学者の古市憲寿さんによる対談連載! 今回は世界最高齢のプログラマーとして注目を集める若宮正子さんが登場!

世界最高齢プログラマー 若宮正子「人生100年時代の攻略法」

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1935年東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に就職。定年を目前に独学でパソコンを習得し、1999年、シニア世代のコミュニティサイト「メロウ倶楽部」の創設に参加。NPO法人「ブロードバンドスクール協会」の理事も務める。70歳を過ぎて表計算ソフト「エクセル」の機能を使った「エクセルアート」を生み出し、81歳でスマホ向けゲームアプリ「hinadan」を開発。現在、デジタル庁の「デジタル社会構想会議」構成員を務めている。著書に『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』『独学のススメ』などがある。

新しいことを始めるときに“勇気”はいらない

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ーー定年後の活動の基盤となるパソコンとはいつ頃出会ったんですか?■若宮 「58歳のとき、1993年に初めてパソコンを買いました。パソコンユーザーだけテキストメッセージを交換できる、今のSNSのような『パソコン通信』というものをやってみたかったんですよ。生真面目な人が多い銀行員とは違って、たくさんの変わり者と接することができて楽しかったです。母の介護で外出できなくなる孤独を埋めることができたし、これはもっとシニア世代に広めるべきだなと思ったんです」■古市 「今と違って、1990年代のパソコンって高くて難しかったですよね」■若宮 「やめたかったらいつでもやめられるので、新しいことを始めるときに勇気はいらないんですよ。私の場合は、エクセルをデザイン図案に応用する『エクセルアート』で洋服を作ったり、81歳でスマホ向けのアプリ『hinadan(ヒナダン)』を作ったり、その都度、詳しい人に助けられながら運良くやりたいことを実現することができました」■古市 「支援してくれる仲間を集めるための秘訣ってありますか?」■若宮 「自分ではわからないですが、私を応援してくださる方々は、『女だから』とか『高齢者だから』といったことは気にせず、何でも面白がって挑戦する生き方に共感してくださっているのだと思います。その期待に応えるためにも、まだまだ隠居する予定はありません。面白いことが次から次へと出てくるし、やってみたいことは尽きないので」■古市 「若宮さんを見ていると、長生きすることが楽しみになってきます」■若宮 「ありがとうございます。歳をとると、少しずつ忘れっぽくなって、嫌なこともさっさと忘れられるので楽しいですよ(笑)。人生を野球に例えると、20代はまだ2回の表ぐらいです。今、辛かったとしても、地道に力を養っていけば、8回の表になって世界から称賛してもらえるかもしれません。自分の殻に閉じこもらないで、どんどんやりたいことに挑戦して欲しいですね」

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