今では誰もが使っている、従来型携帯電話やスマートフォンに代表されるモバイル端末。それらはどのような契約形態で用いられているのか。総務省が2021年6月に詳細値を発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認する。
次に示すのはモバイル端末を保有している人に限定し、メインで使っているモバイル端末がどのような契約形態なのかを確認した結果。従来型携帯電話(PHS含む)かスマートフォンか、それぞれについて主要事業者(NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル)との契約なのか、MVNOでの契約(つまり格安スマホや格安従来型携帯電話)なのかを答えてもらったもの。
全体では従来型携帯電話を主要事業者契約で使っている人が16.6%、MVNOで使っている人が1.0%。スマートフォンを主要事業者契約で使っている人が71.0%、MVNOで使っている人が11.3%。モバイル端末を使っている人のうち82.3%はスマートフォン、格安スマホを使っている人は11.3%、従来型携帯電話を使っている人は17.6%など、モバイル端末の実情を色々な観点で確認することができる。
年齢階層別ではおおよそ若年層ほどスマートフォンが多く、年が上になるに連れて従来型携帯電話が多くなる。従来型携帯電話の利用率がスマートフォンの利用率を上回るのは75-79歳以降。また、格安スマホはおおよそ若年層ほど利用率が高いが、ピークは30代で17.4%。6~12歳や13~19歳でも1割以上は格安スマホ。
世帯構成別では、高齢者がいる世帯において従来型携帯電話が多くなる傾向がある。特に高齢者のみの世帯では4割強が従来型携帯電話となる。
世帯年収別ではほぼ綺麗な形で世帯年収が増えるに連れて従来型携帯電話の値が減る傾向がある。これはランニングコストの問題に加え、高齢者は世帯年収が低くなる傾向があるためだろう。他方、格安スマホの値は世帯年収との関係性が見られないのは興味深いところ。
今件はあくまでも主に使っているモバイル端末について尋ねたものであり、2台以上を併用している人は今回回答した以外の契約形態の場合もある。そのためモバイル端末全体の比率とは一致しないことに注意が必要。
とはいえ、主に使うモバイル端末がどのような契約形態なのか、その実情を確認できるのは、大いに意義があることに変わりはない。例えば各種サービスの需要を推し量ることができるからだ。
■関連記事:
【中高生の携帯電話料金事情(2016年)(最新)】
【子供持ちか親払いか、中高生の携帯電話事情】
※通信利用動向調査
2020年分は2020年9月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送あるいはオンラインによる調査票の配布および回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万7345世帯(4万4035人)、2223企業。各種値には国勢調査や、全国企業の産業や規模の分布に従ったウェイトバックが行われている。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。