今年の春、大手キャリアが揃ってスマホ利用料の格安プランを実施したことは、記憶に新しいと思います。
これまで通信費を下げたいけれど、大手キャリア以外を使うのは不安だと思っていた方は、料金を下げやすくなったはずです。
では、この新しく増えたプランも踏まえ、私たちはどのように利用する携帯電話スマホプランを決めていけばよいでしょうか。
大手キャリアの格安プランは、それぞれに呼び名が付いています。ドコモは「ahamo」、auは「Povo」、ソフトバンクは「LINEMO」、楽天モバイルは「Rakuten UN-LIMIT VI」です。
大手キャリアの手厚いサポートをなくし、プランのつくりが非常にシンプルになっているところが大きな特徴です。
もともとネット専業だった楽天は、窓口での契約やサポートを残していますが、それ以外のキャリアはオンラインでの申込のみ。
窓口のサポートは受けられない、もしくは1回当たり決まった料金を支払い、サポートを受ける形が主流です。
少しサービスが悪くなった印象を受ける方もいるでしょうが、無駄を省いた低コスト運用で、利用料金を下げることを実現していると思えます。
プランもシンプルで、基本20GBの通信料の契約で、通話は22円/30秒。
通話が多い人は、5分間のかけ放題や無制限のかけ放題をつけることができ、データ通信と通話で、総額2728円~4378円(税込)/月ほどで利用できるようになっています。
電波はキャリアのものを使っていますから、どのキャリアを使っても通信状況の不安は少ないでしょうし、その上、通常の契約よりは安く使えます。
後発の楽天モバイルは、料金体系が他の3社と異なり、1GB以下は0円~段階的に金額が上がり、20GB以上は3278円(税込)一律。通話料は無料となっています。
では、格安スマホ、格安SIMはどうなっているでしょうか。
大手キャリアの価格帯が格安に近づいた影響なのか、格安業者の料金も下がる傾向にあります。
例えば、IIJmioは2GBの音声プランで858円/月。nuroモバイルは、3Gで792円/月です。かけ放題が欲しければ、別途880円/月で10分かけ放題をつけられるなど、各社様々なプランを打ち出しています。
月額1000円以下で音声通話ができる通信プランを利用できるのは大きな魅力です。
特に私のようにあまり電話はしたくないし、通信にお金をかけるならその分を外食代や洋服代にしたいと考える人間にとっては、格安プランのさらなる値下げは、大いに歓迎です。
通信の状況はというと、正直、格安業者も悪くはないと思います。ただし、昼休みや夕方など電波が込み合う時間帯に通信速度が遅くなることはあります。
そういう時間帯の通信状況が重要で、通話が多くて話し放題じゃないと辛い場合は、無理をして格安業者を使う必要はありません。優先的につながりやすい、大手キャリアのプランを使うことをおすすめします。
格安業者も悪くないけど、大手キャリアの格安プランもいいように思います。では、どのように選ぶと良いでしょうか。
MM総研の調査「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2020年12月時点)」の結果を見ると、「スマートフォンの月間データ通信量は平均7.56GB、中央値3.00GBで、回答者の6割が3GB以下の通信量だった」というものがあります。つまり、多くは3GBで通信量で足りているということ。
また1週間の通話時間は大手キャリア 3社 40.1分、サブキャリア(Y!モバイルやUQモバイル)は 39.3分、格安業者は 24.1分だそうです。
このようなことから考えると、基本的に極端に使用量が多い人ではない限り、格安業者で数分間の無料通話ができるプランを選択するので良いのではないかと思います。
無料通話は通話する相手により、無料のアプリを使うという手段もありますから。
また、動画を見る機会が多い、通話が多いという人は迷わずキャリアを選ぶと良いでしょう。
通信費が予想以上に高いというケースは、契約内容と使い方が合っていないというケースが多いように感じます。自分の使い方や使う量に合ったプランを選択するのが一番節約になるのです。
格安の最低なプランで十分という人もいれば、大手キャリアの従来のプランでなければ金額が高くなりすぎるという人もいるのですから。
キャリアの格安プランが出揃ったことで、スマホの通信費を抑える選択肢が増えました。より自分に合ったプランを利用すれば、毎月の固定費からムダな支出を抑えることができます。
お金が浮いたら、何に使いますか? 浮いたお金といえども価値は同じ。自分にぴったりのプランを見つけ、お金を有効に使っていきましょう。
横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。
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Source: MM総研