パソコンに関して長年議論されていることの一つが、「パソコンの電源を四六時中入れっぱなしにしていいのか? それとも常に電源を落とした方がいいのか?」ということです。
どちらのやり方にも、それなりに一理あります。どのようにパソコンを使うか、どれくらいパソコンを使うかによって違う、というのが答えでしょう。
今回は、パソコンの電源を入れっぱなしにすることの賛否両論を見ていきましょう。
パソコンの電源を四六時中入れておいたほうがいい理由はいくつかあります。ただ、すぐに使えるからというだけでなく、パソコンの機能を向上させることもあります。
パソコンの電源を落としたくない主な理由は、利便性だと思います。パソコンが起動するまで待たなければならないよりは、常に使える状態のほうがいいですよね。
通常SSDのシステムは、OSを起動するのに最大30秒かかります。
古いハードドライブの場合は1分か、それ以上かかることもあります。起動時に立ち上げるよう設定しているプログラムの数が多ければ、それだけ時間もかかります。
パソコンの電源を入れっぱなしにしておけば、この問題を回避できます。
パソコンがスリープモードから起動するのには数秒しかかかりませんし、前に立ち上げていたアプリもすべて稼働するでしょう。
パソコンやデータのメンテナンスに欠かせない作業はたくさんあります。
ほとんどのメンテナンスは、一晩中パソコンの電源を入れておいた方が良いです。
OSのアップデートをインストールしたり、バックアップを作成したり、ウィルススキャンを作動したり、音楽や写真のコレクションをクラウドに移すような大量のデータをアップロードしたりするのは、どれも時間がかかり、システムの様々なリソースを使います。
パソコンから離れている間や夜間に実行するようにスケジュールをしていれば、仕事や他の作業を邪魔されずに、完全に最新の状態を保つことができます。
パソコンの電源を常に入れておけば、それ以外では制限される特定のソフトなども実行することができます。
それには、Windowsの「Remote Desktop」のようなリモートアクセスのソフトも含まれます。
重要なファイルが自宅のデスクトップパソコンにしか入っていない、というようなイライラを感じることがありません。
必要なファイルなどがあれば、スマホやタブレット、職場のパソコンなどから、リモートでログインするだけでいいのです。
しかし、「パソコンの電源を入れっぱなしにするとダメージがあるのでは?」と思っている人もいるでしょう。
他のデバイスは、使い終わったら電源を落としているでしょうから、パソコンも同じようにした方がいいというのはもっともです。
どんなハードウェアにも寿命があるというのは、当たり前の事実です。モニターのバックライトの寿命は、通常数万時間と言われています。
ノートパソコンのバッテリーの保ちは、300回の充電サイクルで著しく短くなりますし、約3,000プログラム/消去サイクルが上限というSSDもあります。
実際、このような限界に達する前にパソコンを買い直しているはずです。
しかし、パソコンの電源を入れっぱなしにしていると、些細なことであっても、常にストレスがかかることになります。
また、熱が発生するというのは、ハードウェアの寿命を縮める一番大きな要因の一つです。
使っていない時も、何かの電源を入れっぱなしにするのは、当然ながら電気の無駄遣いになります。しかし、一体どれくらいの量なのでしょうか?
13インチの2018 MacBook Airは、普通の使い方であれば最大で25ワット電力を使用します。アイドル状態では8ワットまで、スリープモードでは0.3ワットまで落ちます。
したがって、アクティブ、アイドル、スリープのそれぞれの状態では、パソコンの消費電力は大きく違います。
モニターの電源を切ると電力はかなり節約でき、スリープモードになるとさらに節約できます。
しかし、スリープモードでは、リモートでアクセスできるなど、パソコンの電源を入れっぱなしにするメリットの多くが失われます。
また、パソコンの電源は落としていても、コンセントに挿したままにしていると、少量ながらも電力を使い続けるので、気をつけた方がいいでしょう。
ですから、パソコンの使用電力を減らしたい場合は、電源を落としたら、確実にコンセントを抜きましょう。
電力サージや停電は頻繁に起こるものではありませんが、簡単にパソコンにダメージを与えます。
電力サージは、落雷で起こることがほとんどだと思われていますが、冷蔵庫のような高出力の家電が原因で起こることもあります。
電力サージが大きければ、電化製品、特にパソコンの繊細な部品は損傷する可能性があります。
パソコンにサージプロテクタを挿すことで、これを防ぐことができます。一般的に使うことが推奨されていますが、パソコンの電源を常に入れっぱなしにする場合はさらに使った方がいいでしょう。
昔は、定期的に再起動するのは、パソコンが急停止しないようにするための、ユーザーの生活の一部でした。
これはそうではありません。現代のOSはリソース管理に非常に優れており、パソコンの電源を落とさないと決めていても、著しくパフォーマンスがそこまで低下したと気づかないでしょう。
しかし、今でも再起動は、日々遭遇するエラーの多くを解決する最も効果的な方法です。アプリがクラッシュしていても、プリンターが動かなくても、再起動すれば解決することはよくあります。
1日の終わりにパソコンの電源を落とすことで、システムをフラッシュし、きちんとリフレッシュして、うまくいけば翌朝にはバグ無しで使い始めることができますよ。
最後に、パソコンの置き場所によっては、ただ静かにしたいという理由で電源を落としたい人もいるかもしれません。
通知やアラートは簡単に無音にすることができますが、ファンの回る音やハードドライブのクリック音のようなノイズはあります。
当然ながら、これは最近のパワーの低いCPUやSSDを搭載した、ファン無しのノートパソコンでは問題になりません。
しかし、多くのデスクトップパソコンでは、電源を落としたほうが静かな生活が送れます。
1日に何度かパソコンの電源を入れたり落としたりするのは、大事なことではありません。
ウィルススキャンを実行している間、一晩中電源を入れっぱなしにしていても、間違いなく問題はありません。パソコンを時々再起動するのは、暑い夏などは適度に冷却するのに有効なアイデアです。
では、パソコンの電源は入れておく、それとも落とす方がいいのでしょうか? つまるところ、その人のニーズによります。
数日使わないのであれば、電源は落としたほうがいいでしょう。
しかし、常に使わなければならないような場合は、その間電源を入れっぱなしにしていても、さして問題はありません。
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Image: MakeUseOf
Source: Reduction Revolution
Original Article: Leaving Your Computer On All the Time: The Pros and Cons by MakeUseOf