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ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ【開発者インタビュー】 電動化をアフォーダブルに - webCG

5ナンバーのコンパクトSUV、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズが発売されたのは2019年11月。2年を経てのマイナーチェンジだが、ダイハツにとっては“マイナー”どころか大変革のモデルである。初の本格的ハイブリッド車であり、新エンジンを搭載しているのだ。開発を主導したエグゼクティブチーフエンジニアの仲保俊弘さんに、新型モデルとダイハツの将来に向けた計画について話を伺った。

――1965年から電動車の研究を始めていたということですが、ハイブリッド車もそのなかに入っていたのでしょうか?

仲保俊弘さん(以下、仲保):以前からハイブリッドをやらなければと考えていて、準備は相当前からやっています。2005年に商用車の「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」を発売しましたが、あれは限られた数でした。今回はハイブリッドを世の中に出すということで、全社を挙げて開発してきましたね。

――初の試みですから、どんなハイブリッドシステムを採用するかについては議論があったんでしょうね。

ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ【開発者インタビュー】 電動化をアフォーダブルに - webCG

仲保:マイルドハイブリッドも含めて、あらゆる可能性を考えました。ただ、ハイブリッドシステムを使う意味はCO2の排出量を減らすことや燃費を良くすることにあるので、本格的なハイブリッドをやるべきだと考えたんです。

――トヨタグループに属しているわけですから、トヨタ方式を採用するというのが手っ取り早そうですが……。

仲保:もちろん、トヨタの「THS II」は優れた技術で、ダイハツからはトヨタに人を派遣して教えていただきました。やはり先人から学ぶというのは大切なことですから。5、6年前から、延べ50人以上は出向したと思います。われわれもシリーズ式ハイブリッドの研究を進めていて、軽くて小さなクルマ、小排気量ということを考えるとシリーズのほうがいいんじゃないかということになりました。

――方針が決まったのはいつごろですか?

仲保:かなり前です。ユニットの開発には時間が必要ですから。4、5年はかかっていますね。

デビューから2年を経てハイブリッドモデルが設定された「ダイハツ・ロッキー」。もちろん兄弟車の「トヨタ・ライズ」も同様だ。
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1.2リッターエンジンをベースとしたハイブリッドシステムは「e-SMART HYBRID」と名づけられている。
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2005年発売の「ダイハツ・ハイゼットカーゴ ハイブリッド」。駆動はエンジンが主体で、回生などで発電した電気で回すモーターがアシストする仕組みだった。(写真=ダイハツ工業)
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<仲保俊弘さんプロフィール>1982年4月にトヨタ自動車に入社。実験部や製品企画部(チーフエンジニア)を歴任し、2017年1月にダイハツ工業に出向。車両性能開発部 部長(実験、CAE、材料、試験)を経て2018年7月にダイハツ工業に転籍。2020年1月より製品企画部Aセグメント車両のエグゼクティブチーフエンジニア(ロッキー、アイラ、ルーミーほか)を務めている。
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