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Interviews:G-SHOCK × YOSHIROTTEN によるコラボレーションウォッチを深掘り

機能的で“タフ”な腕時計として、カルチャーシーンとも密接に関わりを持ってきた〈G-SHOCK(ジーショック)〉から、グラフィックアーティストの YOSHIROTTEN(ヨシロットン)とコラボレーションしたDW-5600MNTとAW-500MNTがリリースされた。

本アイテムは、1980年代後半に〈G-SHOCK〉のタフなアイデンティティを広く世間に定着させたDW-5600(通称スピードモデルと呼ばれる元祖スクエア型)とAW-500(昨年復刻したブランド初のアナログ・デジタルウォッチ)がベースモデルとして採用され、“MUSIC NIGHT TOKYO”をテーマに現代の東京の夜の音楽シーンをイメージしてデザインされたモデルである。

今回はそんなコラボレーションモデルの発売を記念し、デザインを手掛けたYOSHIROTTENとVJのkenchan、そして東京を拠点に世界中で活動するDJ兼作曲家のMars89、さらに『MITSUKI TOKYO』からDJのYAMARCHYが参加した4者対談を敢行。まずは彼らの近況について話を聞き、そこから東京のクラブシーンで暗躍するクリエイターたちにとって、DW-5600MNTとAW-500MNTの魅力とは一体何なのかを深掘りしていく。

HYPEBEAST:まずは、今回発売されたDW-5600MNTとAW-500MNTのデザインコンセプトである“MUSIC NIGHT TOKYO”について教えてください。

YOSHIROTTEN(以下YO):“東京の音楽”をテーマにデザインをして欲しいという依頼をCASIO(カシオ)さんから頂いて、そこから“MUSIC NIGHT TOKYO” というコンセプトになったんですよ。僕にとって東京の音楽は夜のクラブやライブハウスのイメージなので、そういった要素をデザインとして落とし込みました。それと、この企画自体は2年前から始動していて様々な人を巻き込んだイベントもやるはずだったのですが……。

コロナによる影響で中止になってしまったと?

YO:そうですね。コロナ前までは当たり前だったイベントやクラブ遊びができなくなり、残念ながら中止せざるを得ない状況になってしまいました。

コロナ前と後で、東京の音楽シーンに変化はあったのでしょうか?

YAMARCHY(以下YA):当然変化はあったと思います。例えばMITSUKIで言うと、コロナ前まではファッションシーンの大人の人たちが集まるような場所でしたが、最近は若い世代のお客さんが明らかに増えたという印象ですね。

確かに、近頃は若い世代がシーンで台頭してきた気がします。

kenchan(以下K):というよりもイベント自体が減って、これまで行けてなかった場所に若い世代の僕らが遊びに行くようになりました。今は海外からアーティストが呼べないので、全世代がまとまってローカルシーンを盛り上げている感じがします。

Mars89(以下M):この状況に対して何とかしなきゃって、全世代が思っていますからね。僕らDJも現場が一気に無くなったので、代わりに配信イベントをやったり、映像を連動させたコンテンツを作ってみたりしました。ケンちゃん(kenchan)とも一緒にやりましたよ。

YO:マーズ(Mars89)はSaveOurSpaceにも参加しているよね?

M:そうですね。

YO:コロナになってからはSaveOurSpaceを筆頭にそういったDJや夜の場所を守ろうという動きが、シーンの全世代に広まっていったんですよ。例え営業ができなくとも各々が自分たちなりのやり方で活動を続けていて、ここMITSUKIにおいても山田(YAMARCHY)と一緒にラジオを始めたんです。普段出演してもらっているDJのミックスや現状についてを話してもらったりして貴重な企画だったと思います。クラブは常に変化していくものなので、新しいチャレンジができてよかったです。

K:あのシリーズのCHIDAさんの回が好きです。

YA:あれもMITSUKIでライブ収録したんですよ。まだ聴いてない人は是非チェックしてみて欲しいです。最高なので。

リリースを記念したティザームービーも制作されたとのことですが、それについても教えてください。

YO:今回のベースモデルに採用しているDW-5600とAW-500は80年代に発売されたモデルで、その当時ヨーロッパを中心に各国でレイヴが始まった時期だったんですよね。ちょうどその頃、日本でもMIX(ミクス)やPUMP(パンプ)っていう雑誌がThe Second Summer Of Love(セカンド・サマー・オブ・ラブ)とかデトロイトテクノの誕生を紹介していて、今の10年代から20年代になる感じと僕の中で妙にリンクしたんですよ。それで今回は音楽とストリートの交流を描くモデルにしたくて、音を入れられる映像も作ることにしました。

ティザームービーの音楽はMars89さん、映像はkenchanさんが手がけたそうですね。

YO:音楽はずっとマーズにお願いしたいと思っていたので、ティザームービーを作ることが決まってすぐにFacebook経由で連絡を入れましたね。

K:え?まさかのFacebookだったんですね……。

M:僕はFacebookでも声をかけてもらえて嬉しかったですよ(笑)そういった流れで最初にコンセプトやデザインを見させていただいて、それに合いそうな音のパーツや質感を選びました。

ということは、最後にkenchanさんが映像として仕上げたということですか?

YO:そうなんですよ。そもそも今回のティザームービは、音も映像も東京のナイトシーンで活躍している人にお願いしたいと思っていました。例えばマーズはDJだけでなく、先ほどのSaveOurSpaceしかりファッションショーの音楽なども手がけていて、現在の東京のナイトシーンにいる彼の電子音楽を使いたかったんですよね。また、ケンちゃんはパーティーやバーで毎週のように偶然会って遊んでいて、今の東京の夜のノリをよく知る人物だと思っているので、そんなマーズの音楽とケンちゃんの映像を合わせたら面白いだろうなと。だから最終的には、僕がベースのグラフィックだけを投げてあとは自由にやって下さいって感じでしたね。

K:元々の素材がかっこよかったのでスムーズに完成しました。ただ、CASIOのロゴは途中でぐちゃぐちゃにいじりすぎて、それだけはNGになってしまいましたね(笑)それでも今回の映像を見てもらえれば一目瞭然で、ここまでクリエイターに自由にさせてくれるブランドってそうないんですよ。ありがたいです。

Interviews:G-SHOCK × YOSHIROTTEN によるコラボレーションウォッチを深掘り

DW-5600MNTとAW-500MNTを実際に着用してみた感想をお聞きしたいです。

YO:まずは自分が思い描いていた形になって本当によかったですね。あとは実際につけてみて、全体をマットな素材で仕上げたので感触的にも気にいっています。

YA:G-SHOCKは中学のイケてる先輩がつけていて、雑誌でもよく見ていたので憧れでした。なので今つけているモデル(AW-500MNT)は僕からすると新鮮なんですよね。やっぱりG-SHOCKと言えばスクエア型が印象的です。

M:僕もYAMARCHYさんと一緒でこの四角い感じにはすごく馴染みがあり、過去に同型のものを使っていたくらいお気に入りなんですよ。ですが、時計の盤面があるAW-500MNTはアナログ好きな自分からするとたまらないデザインで、どっちにするかはかなり迷いましたね。

K:以前はスマートウォッチを使っていて、ここ最近はAW-500MNTをつけているのですが、時計って本当に時間を見るものなんだなって思っちゃいました。

YO:そりゃそうよ(笑)

K:そりゃそうなんですけど、腕時計を使ってこなかった僕からすると新たな発見です。

M:逆に僕は普段からよく腕時計をしていて、DJプレイ中はスマホより腕時計で時間を確認したいんですよね。

YA:確かに、ポケットからスマホを取り出すより腕時計を見る仕草のほうがスムーズでかっこいいかも。今度やってみます。でもまさか、腕のバランス感覚が変わってDJプレイ自体に影響しませんよね……?

YO:それは両腕につければ問題ないはずですよ。

YA、K、M:なるほど~(笑)

最後に、今後の東京のナイトシーンについて期待することや伝えたいことなどがありましたら教えてください。

YA:どんなにバーチャルな時代になっても東京のナイトシーンの現場は無くなってはいけないし無くしません。また、僕らは常に新しさを取り入れて進化も続けていきますが、変わらないコトやモノを次の世代に繋げていくというのも大事だと思っています。

M:今後も東京のナイトシーンは、常に自由で刺激的で革新的な場所であって欲しいと思っています。そのために、クラブカルチャーやナイトシーンのコミュニティの一員として、自分やコミュニティーができることを常に模索していきたいです。

K:クラブカルチャーだけではなくどんな文化にも言えることですが、興味がある場所にフットワーク軽く遊びに行ける人が増えてくれたらより楽しくなると思うので、僕は寛容かつ優しい現場作りを心掛けつつ様々な人と遊び続けていたいですね。遊びながらでないと学べない価値観を大事にしていきたいので、これを読んでいたらいつかどこかで大きな音を聴きながらバーカンで喋りましょう。

YO:僕も20年近くになる東京の夜遊びを通して、多くの出会いがあったから今の自分があると思っています。クラブは年齢や仕事や性別も関係なく、みんながフラットに音楽と遊べる場所ではないでしょうか。時代に乗りながらも、この楽しい場所がずっとあり続けてほしいです。ダンスフロアでお会いしましょう。

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Photo_rintaro_ishige

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本コラボレーションウォッチ発売を記念して作られたティザームービー。コレクションのテーマでもある“MUSIC NIGHT TOKYO”の世界観を表現した作品で、オレンジやグリーンで描かれたグラフィックが都会的なサウンドに合わせて次々と交錯する映像に仕上がる。6月14日から21日までの7日間は、オンライン以外にも渋谷駅周辺の屋外ビジョンで放映され、ネオンの光が輝く東京の夜を怪しげに彩った。その日の様子を写したフォトグラファー 石毛倫太郎による記録用写真を上記スライダーにてチェックしてみては。

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DW-5600MNT-1JR_13,750円(税込)

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DW-5600MNT-8JR_13,750円(税込)

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AW-500MNT-1AJR_15,950円(税込)

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元祖スクエアモデル DW-5600を採用したDW-5600MNTは、東京の雑居ビルを連想させるカラーリング(ライトグレーとダークグレー)で、ライトを点灯しなくても常時レーザー柄が浮かび上がるデザインとして仕上げられている。様々なギミックでデザインイメージである“MUSIC”/“NIGHT”/“TOKYO”を前面に打ち出した逸品だ。また、AW-500MNTはブランド初のアナログ・デジタルコンビネーションモデルであるAW-500をベースモデルに採用し、デザインとして文字板全体にはレーザーの光を無数の点で表現。さらに、20気圧防水やショックレジストなど〈G-SHOCK〉の特徴的な機能性をも兼ね備えたハイブリッドな腕時計である。価格は、DW-5600MNT-8JRとDW-5600MNT-1JRが13,750円、AW-500MNT-8AJRとAW-500MNT-1AJRが15,950円(すべて税込)となっている。

気になる方はこちらのオフィシャルサイトからその詳細を確認してみてはいかがだろうか。

[問]カシオ計算機株式会社Tel:03-5334-4869

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