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社員数削減のために辞めさせたのは「給料の高い人」 Apple元人事部長が、 自分をクビにしてまで会社と戦った理由

自分の「志」を会社で貫き通すためには

水谷壽芳氏(以下、水谷):せっかくなので、今日のお話を聞いて、小杉さんに直接質問されたいことがありましたら、と思いますが何かございますでしょうか。

企業人事の参加者:ありがとうございます。先ほどお伺いした話の中で、上司をどううまく使っていくか(というのが印象に残っています)。上司を黙らせるために、やるべきことをしっかりやった上で自分のやりたいことを通していくことが大事だということで、その通りかなと聞いてたんですけども。

たまに会社の中であるのが、上司が「自分のほうが経験知として長い間社会人生活をやってきたんだから、おまえの言うことは違う」とか、頭ごなしに言われてしまった時に、ロジックの世界ではない中でどうぶつかって自分の意見を通していこうかなと悩んだりもするんです。

評価を気にしているところもあるんですけども、そういった時にどうやって貫き通していけるか。先ほどの「志」かもしれないですけども、貫き通すためにはどういった思いとか気持ちをふだんから持ち続けていたら研鑚されるんだろうかというのを、もし何かありましたらお伺いできればと思います。

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自分をクビにしてまで会社と戦った理由

小杉俊哉氏(以下、小杉):ありがとうございます。これは事前にいただいた質問「起業家のような働き方を意識したのは何歳頃からですか?」とも関連すると思うので、私自身のことと絡めてお答えしたいと思います。

私が会社勤めをしていたのは39歳までなので、もう24年も前なんですね。最後にAppleの人事責任者をやっていたのが36歳から39歳までなので、それから24年間上司がいないんです。会社勤めの時の話で言うとですね、私は上司を使うのも、組織内での立ち回りもうまくなかったです。

その後、知り合った大勢の『起業家のように企業で働く』の本に出ているような方たちは、いい意味で、うーんうまいなーと思いました。会社にとっての目的と自分の目的を重ね合わせて、あるいは自分で成果を上げて上司に認めさせて自分のやりたいことをやるとか、うまく逃げるとか。あるいは上司を持ち上げておいて違うことをやってしまうとか。

そういう人たちと知り合って、「もっとうまいやり方があったな」と思います。私はぶつかるたちだったので。