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「自由と選択を日本に」。Netflix創業者に聞く世界最大級の理由 - AV Watch

 Netflixは、米国での映像視聴のありかたを変えたと言われている。その理由はどこにあるのだろうか? そして、日本参入で何をもたらそうとしているのか?

ヘイスティングス氏(以下敬称略):インターネットテレビが変えた一番大きなことは、「自由」と「選択」をもたらしたということです。視聴する自由と、選択する自由。例えば映画を見ようと思ったら、朝の11時でも夕方4時からでも、自由にオンデマンドで見ることができる。放送時間や上映時間などもありません。

 スマートフォン/携帯電話と固定電話を例に挙げると、携帯電話により常に電話を持ち運ぶことができ、いつでもどこでも利用できるようになった。そこで多くの自由が生まれているわけです。技術により自由を広げる。それがNetflixがやってきたことです。

 インターネットテレビは、エンタテインメントにおける大きなブレークスルーになりました。いまやBBCやHBOなどの世界の各放送局も、既存のテレビからネットテレビへの移行を加速しています。テレビの世界がオンデマンド型に変わっていくのは大きな流れになっています。

「自由と選択を日本に」。Netflix創業者に聞く世界最大級の理由 - AV Watch

 Netflixは、'99年に宅配DVDレンタルをスタートし、2002年にIPO(株式公開)、2007年に映像ストリーミングを開始した。映像コンテンツに関わる事業とはいえ、ディスクからネット配信への移行は、事業の大きな方針転換だ。そこにはどんな困難があり、どのように会社の体制を変えていったのだろうか?

ヘイスティングス:確かに、宅配DVDレンタルからネット配信への移行は困難なものでした。ただ、我々がやろうとしていること自体は変わっていないのです。映像に「自由」と「選択」をもたらす。宅配DVDでは、ネットで膨大なDVDから作品を選べるという自由を実現しました。ただ、DVDは宅配レンタルですから、見終わったら返却し、新しいDVDが届くまで続きを見ることができません。

 ストリーミングの素晴らしいところは、作品を選んで2秒で再生開始できます。そして、そして続きもイッキに見られます。技術により、さらなる自由が得られる。ネットへの移行は、人々が自由と選択を求めたからこそです。

 ヘイスティングス氏が強調し、Netflixが追求する「自由と選択」。では、その自由と選択を、他の領域、例えば音楽配信や本/電子書籍などに拡大する計画は無いだろうか?

ヘイスティングス:いいえ。Netfixでは、音楽も、本は扱わないですし、スポーツやニュースもミュージックビデオも扱いません。YouTubeでもミュージックビデオは見られますし。単純にリラックスして楽しんで欲しいのです。

--(音楽やスポーツなどのコンテンツを扱わない)理由はそれだけでしょうか?

ヘイスティングス:はい。それだけです。「Netflixでリラックスしてエンジョイして欲しい」。十分な理由だと思いませんか?