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Instead of paper and pen, record your body temperature on your smartphone with sound waves

日々お世話になっているオムロンの「MC-6800B けんおんくん」(きわめて機微な個人情報である血圧をさりげなく隠す)

紙とペンの代わりに、音波でスマホに体温を記録

3回目のワクチン接種を終えた。2021年は1、2回目共にファイザーで、今回は、自治体からの接種券到着後、もっとも早くに予約できた大手町の自衛隊東京大規模接種会場でモデルナを接種した。いわゆる交互接種だ。予約についても、インターネットの専用サイトで、スムーズに予約できた。インターネットでの予約ができる人は、できるだけインターネットを使うことで、電話予約しかできない高齢者等の予約のしやすさが高まるはずだ。音波で測定データをスマホに送る体温計接種後、心配していた副反応は、1、2回目のファイザー接種のときとは様相が違い、ちょっとつらかった。24時間後あたりから熱が出始め、30時間目あたりに38.4度をピークに下降しはじめたが、体中の筋肉痛のような痛みや、注射跡の痛み、倦怠感などが翌日、翌々日くらいまで続いた。体が平常運転に戻ったのは接種後4日目くらいだろうか。先に接種した友人、知人などから情報を得ていたので、接種後、ひんぱんに体温を計測しつつ様子を見てみた。熱を測るのにはオムロンの体温計を使っている。手元で使っているのは「MC-6800B けんおんくん」という製品で、約15秒で検温できる予測式のものだ。コロナ禍になって常に体温を気にしなければならなくなって購入した。非接触のものほどアバウトではなく、比較的短時間で測定できるので重宝している。この体温計は、測定後、音波を使ってスマホアプリに結果を転送できる。測定後、自動的に通信モードに入り、体温計本体からジージーという低い音が出るので、それをアプリに聴かせてやるだけで結果が瞬時に伝送される。測定を開始したところでスマホを取り出し、アプリを開き、追加モードに入るころには測定が完了しているので、そのまま結果が転送される。実にラクチンだ。健康データはきわめて機微な個人情報であるこの方式がいいのは、体温計とスマホをBluetoothなどでペアリングして紐付けする必要がないことだ。同社の健康器具としては血圧計も愛用しているが、こちらはユーザー1とユーザー2の二人の紐付けが可能で、それぞれをBluetoothペアリングするようになっている。スイッチの切り替えを間違えると、血圧計側で他人のデータを更新してしまう。ペアリングしての測定結果伝送は、週に一度とか、10日間に一度など、まとめてデータを転送することができる。本体が結果を記憶しているのを転送する仕組みになっているからだ。だからこそ、ユーザーが正しく設定されているかどうかを測定前に念入りにチェックしなければならない。一方、音波伝送は、測定後、すぐに転送する必要がある。その代わりにあらかじめペアリング等をしておく必要はない。つまり、紙にペンで結果を転記する代わりに、測定後、すぐに音波で結果をアプリに伝送するだけだ。少なくとも、一人暮らしで、自分専用に健康器具が使えるのでもない限り、ほとんどの場合は、家族と共用している器具だ。切り替えなどの間違いがあることを考えると、この音波による都度転送というのは便利だ。仮に100人が入れ替わり立ち替わり体温を測定しても、この方法なら間違いようがない。好きなデバイスで日々の記録を確認できるとなおよいいただけないのは、専用アプリの「OMRON connect」だ。これがもう今の時代にどうしようもない仕様だ。まず、測定データは特定の端末1台にローカル保存される。基本的に、ペアリングしていない他の端末からデータを見ることはできない。データはCSVファイルに出力して、メール送信などができるので、どうしても必要なときは、その機能を使って参照し、Excelなどでグラフ化できる。データそのものは「OMRON connect クラウド」と呼ばれるサービスに同期されるので、どこからでも同じデータにアクセスできてもよさそうなものだが、“公式には”そういうふうにはなっていない(緊急時のバックアップ的な位置づけだ)。ただ、通常のペアリングは1対1だが、音波伝送であればデータの記録と参照がどのデバイスでも可能だ。遠隔地にいる高齢者の健康データを見守るようなことが、もっとわかりやすいUXでできればいいのにと思うのだが、そういうことは想定されていないようだ。また、連携アプリ・サービス機能を使うことで、測定データをアプリ間で共有することもできるが、連携できるデータが限定的だ。たとえばAndroidスマートフォンで、Google Fitと連携することができるのは、体組成計による体重データのみだ。一方、Appleのヘルスケアに出力できるデータはかなり多い。きわめてセンシティブな個人情報であるからこそ、いろいろな制限があるようだが、もう少し柔軟な運用が出来たらいいと思う。コロナ禍は医療現場のDXも推し進めたようだが、やはり、まだまだ現場の人力に頼っている部分も多い。せめて各種の基本データの記録くらいは、もっと積極的にDXが進められればと思う。 著者 : 山田祥平やまだしょうへいパソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。

山田祥平